苫米地博士が指摘する大きな勘違いとは?

この意見に対して苫米地氏は、「本質的に大きな勘違いがあると思う」と前置きした上で、2018年4月10日に開催された「仮想通貨交換業等に関する研究会」の資料を抜粋して、「現物取引の場合も顧客がウォレットを持つのではなく、交換業者が一つのウォレットを持って、それを顧客が28万人いたとしたら28万人に対して一つのウォレットで、そして28万人のやりとりはデータベース上でやりとりをしているので仮想通貨が盗まれてしまうのです」と回答しました。

本来、仮想通貨は盗まれない

苫米地氏は更に、「本来、仮想通貨は盗まれないんです。自分がウォレットを持ってれば、それが必ずブロックチェーンに記載されるので盗まれるということはないんです。ブロックチェーンを簡単にいうと、自分が受け取った物と自分の支払った物の記録の差です。受け取りというのは何なのかと言うと、最初のマイニングで生成されて、『AからB、BからC・・・』とずっと続いて自分にくるまで、ものすごい長い履歴が大量にあって、そこから自分が使った物を抜くので、送金に使うくらいだったらいいけど、残高なんかいちいち見られると、いちいちブロックチェーンから集めなければならないのでものすごい時間がかかってしまう訳です。そういうことで、元々交換所というのはブロックチェーン・・例えばビットコインとイーサリアムのブロックチェーンで、ビットコインが10増えて交換レートが10対1だったらイーサリアムは1個減らすといった物でした。ただし、顧客が増えてきた時にだんだんと遅くなって対応が難しくなったので、ヨーロッパやアメリカではディーラーやトレーダーという職業が誕生しました。一人の人に数百人・数千人のウォレットを預かってもらうことで、そうすると人が増えてもブロックチェーンが遅くならないんです。これが日本にも上陸してZaif等の仮想通貨取引所になりましたが、レベル別に大別すると、『人のお金を預かって、コインを売ったり買ったりする業種』、『人のお金を預かる前に単にトレーディングのコンサルティングや仲介をする業種』、『人のお金を預かる業務』、『エクスチェンジ業務(取引所)』まで4レベル位に分類することが出来ます。日本には4レベル目(エクスチェンジ業務)しかなく、ウォレットが一つしかないのでハッキングされてしまったんです」と述べました。

仮想通貨を保管する場所・ウォレットについて

苫米地氏がウォレットについて言及した意見に対して、奥山氏は、「ウォレットは、鍵の開け閉めを行う秘密鍵を管理しているソフトウェアやアプリケーション、ペーパーウォレット等がありますが、個人が使っているウォレットであっても交換業者で使っているウォレットであっても、その本質は変わりません。ただその鍵をどのように管理するかとか、どのようなセキュリティ下で利用するかについては、間違いなく個人がアプリケーション等のウォレットで管理を行うよりも、取引所の方がセキュリティが高いと思います」と反論しました。

「真相解説!仮想通貨ニュース!」〜第2回『正直「大丈夫かな?」と思っている取引所がある』〜その3〜に続きます。

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