キャッシュレス化後進国の日本におけるスマホ決済はどうなっていくのか?

日本は、世界でも有数のキャッシュレス化後進国です。

この現状を打破すべく、「楽天」や「Yahoo!」、「LINE」、コンビニエンスストア等の企業がスマホ決済(スマートフォン決済)に続々と参入し、既存の銀行との戦争が始まろうとしています。

途上国のキャッシュレス化事情

ケニアの首都ナイロビでは、買い物の際、現金による決済ではなくスマホによる決済が大半を占めます。

使用されるスマホ決済の中で有名なのが「M―Pesa(エムペサ/Mは携帯電話のモバイル、ペサはスワヒリ語でお金を意味する)」で、クレジットカードも銀行口座も必要なくて、ケニア内にある代理店(数千あるといわれる)で手続きすれば個人間で送金することも可能であるとのことです。

2018年第二四半期(4〜6月)、ケニアのスマホ決済による取引額は、同国のGDP(国内総生産)を上回り、ケニア国民にとって生活に欠かせない必需品であるといえるでしょう。

バングラデシュにあっても、2014年からサービスがスタートした「シュアキャッシュ」が急速に広がっており、既にスマートフォンが銀行代わりになっています。

その一方で日本は・・

その一方でキャッシュレス後進国日本は、日本のキャッシュレス普及率は、2016年時点で約19.8%に止まり、既に90%を越えるといわれる韓国や中国等と比べると極めて低く、日本政府が掲げる2025年までの普及目標も40%となっています。

そのような日本の現状に目を付けたのがネット企業で、「LINE」や「楽天」が先行してスマホ決済を導入し(LINEペイや楽天ペイ)、「Yahoo!」も2018年10月に親会社であるソフトバンクと合同で「ペイペイ」を導入しました。

これまでネット企業は、自社サービスに対してポイントを付与することによって独自のポイント経済圏を作りユーザーを獲得してきましたが、従来のポイントはネット内に限られていたので、実店舗等のオフラインにまで経済圏を広げられるキャッシュレス化にはネット企業にとって新規市場の開拓というメリットがあります。

ユーザーの消費履歴や行動パターンなど、得られるデータの種類や量が飛躍的に増えるからだ。スマホ決済のユーザーをどれだけ確保できるかは、データ資本主義における競争力を左右する。

「ペイペイ」の不正利用が発生

2018年12月に、「ペイペイ」が実施した「買い物料金の20%分の電子マネーを100億円分相当還元するキャンペーン」目当てに、多くの顧客が都内の家電量販店に高額商品を求めて詰めかけて話題になりました。

話題になった反面、「ペイペイ」の情報保護の仕組みが甘く、クレジットカードが不正利用される事件が相次ぎ発覚して日本中が大騒ぎになりました。

一方で、「みずほフィナンシャルグループ」が「LINE」と提携して2020年にもインターネット銀行を設立しますが、みずほフィナンシャルグループの岡部社長はネット企業のキャッシュレス化に対する攻勢が、今回の「LINE」との提携の背景にあると認めています。

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