金融庁が仮想通貨における法規制の移行を検討
金融庁が仮想通貨における法律を、改正資金決済法から金融商品取引法への移行へと検討しています。2018年1月に仮想通貨取引業者コインチェックから約580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出し、顧客資産保護のあり方が問題となったのがきっかけです。
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2018年7月2日、仮想通貨取引業者を規制する法律を現行の改正資金決済法から金融商品取引法に移行することを金融庁が検討していることが分かりました。
これまで、改正資金決済法は、仮想通貨取引業者が登録制であること等を定めていましたが、経営が悪化した仮想通貨取引業者が取引所利用者の資産を保護する仕組みなどが不十分でした。
仮想通貨における法規制を金融商品取引法に基づくものにすることにより、規制が証券会社などに適用されるものとなり、利用者保護の強化につなげるものとみられます。
これまで仮想通貨は、改正資金決済法により電子マネー等と同様の決済手段という立ち位置であったが、金融商品取引法による規制対象となれば、金融商品として扱われるようになります。
金融商品取引法は、顧客の資金や有価証券(株式等)を証券会社等に対し、会社の資産と分別管理をすることを義務づけているので、これまで度々あった、仮想通貨取引所内関係者における横領等も、より歯止めがかかるようになるだろうとみられます(インサイダー取引も禁止する等、厳格な利用者保護の枠組みを整備しています)。
金融庁は、仮想通貨交換業の規制のあり方や現行法制度の問題点などを議論する金融庁主催の「仮想通貨交換業などに関する研究会」で引き続き議論をしていきます。