「Healthcare x blockchain meet up」参加報告
2018年7月2日、千代田区麹町で開催された「Healthcare x blockchain meet up」に参加しました。ブロックチェーン技術を用いて医療情報技術の課題を解決しようという試みです。
お気に入りに追加開催概要
現在の医療情報システムは、医療機関を中心に運営されています。
そして医療機関の外部に医療情報を共有することは認めれていません。
これらの医療機関を中心とした医療情報管理システムは、個人の医療データを複数の病院に分散させることで医療データが断片化され、医療サービスの質を低下させています。
今回はそんな医療情報システムに課題意識を持ち、ブロックチェーン技術を用いてその課題を解決しようとMediBlocを立ち上げた医師のAllenさんをゲストにお迎えして、今後のヘルスケアの展望について語り合います。
スピーカー
メインスピーカー
◎Dr. Allen Wookyun Kho氏 [MediBloc(*1) Co-Founder]
MediBlocは2人の医師がブロックチェーン技術を用い、現在の医療情報システムの問題を解決するために立ち上げた会社です。
ゲスト
◎藤本 真衣 氏
「ミスビットコイン」の愛称で広く知られている。2011年から暗号通貨業界に携わり、印象的な経歴で業界で実績を残してきました。
特別ゲスト
◎水島 洋 氏
国立保健医療科学院 研究情報支援研究センター長
ITヘルスケア学会 代表理事
医療ブロックチェーン研究会会長
詳しくは、 http://hiroshi.mizushima.info/
ブロックチェーン技術の医療分野への活用について(水島 洋氏)
希少疾患・難病対策として、国として患者の医療情報データベースの整備が重要になってきます。
そのためには、患者から許可を取り、患者のデータを提供してもらい、データを蓄積しておく必要があります。
ブロックチェーン技術を利用することにより、患者個人の登録データを管理したり、病院を受診する際に他の病院とデータを共有することが出来るようになる等、患者が自分の情報を自分で登録してコントロールすることができるようになります。
水島氏は、エストニアのE-Healthやアメリカ大統領府がヘルスケア分野でブロックチェーンをとりいれていくとした事例を挙げ、世界では医療分野にブロックチェーンを導入していくのがトレンドであるとしました。
その反面、日本は医療面でブロックチェーン化が進んでいないことを指摘しました。
具体的使用例
ブロックチェーンをどのように医療に活用するかというと、
■医薬品のサプライチェーン
■治験
■医療機器(保守管理、データ認証)
■患者の研究参加
■個人情報の同意の管理
■遺伝情報の管理
■投稿論文(誰がどの時点で書いたか)
等という点で利用が考えられており、保険金請求等といった他の分野との連携も検討されています。