金融庁が設置した「仮想通貨交換事業に関する研究会」(第1回)が開催される
2018年4月10日、金融庁が主導する「仮想通貨交換業等に関する研究会」(第1回)が開催されました。
研究会は、コインチェックのネム(XEM)不正流出事件や金融庁の立入検査により判明した仮想通貨取引所の内部管理体制の不備等により設置され、金融・法律・ITの専門家や研究者、消費者団体等から構成されています。
今回の研究会では、日本仮想通貨交換業協会や国内の登録業者14社とコインチェックといった「みなし業者」3社が情報を提供しました。
主要な取引所等が共同でデータを公表するのは、初めてのことです。
研究会で報告・議論された内容
・国内の主要な仮想通貨取引所の取引状況が明らかになり、2017年における仮想通貨取引量が2016年と比較して約20倍の69兆円に上ったことが報告(取引の中で証拠金・信用・先物取引が8割以上を占め、さらに証拠金・信用・先物取引の内、仮想通貨FXのような証拠金取引が97%)。
・証拠金取引の中では、20~25倍のレバレッジをかける業者もあり、研究会メンバーからは「20~25倍のレバレッジといった投機的な状況を認めてもいいのか」と規制を求める声が挙がる。
・仮想通貨取引の内、ビットコイン取引が66兆9244億円と全体の95%を占め、2番目に大きいリップルは1兆2842億円、3番目のイーサリアムは5377億円の取引であったことが報告。
・利用者の入出金状況についても明らかになり、ビットコインの価格が過去最高値を記録した2017年12月中に、1兆1714億円の入金があり、2017年11月と比べて13倍以上の日本円が仮想通貨市場に流入したことが報告。
・相場が下落し始めた2018年1月以降の入出金は均衡しており、大幅な出金超とはなってない為、多くの利用者は、高値掴みした仮想通貨を手放せず、ホールドしている状態であると思われると報告。
・利用者の預かり資産額の内、利用者の約95%が100万円未満であり、約77%が10万円未満となっている、また20歳代の仮想通貨の保有額が100万円未満が約90%を占めていると報告。
・ICOについても、「ICOが仮想通貨高騰の原因である」と指摘する意見が出たほか、ICOを今後どのように法的に位置づけるのかといった問題について意見が出される(今後の研究会では、ICOに関するテーマが議論されていくとみられる)。