ブロックチェーンは世の中をどう変えていくのか〜野口悠紀雄氏の講演 その1〜
2018年7月4日、東京・ベルサール汐留にて開催された「TOKENSKY TOKYO 2018」に参加しました。アジア最大級のブロックチェーンイベントです。一橋大学名誉教授の野口悠紀雄氏が講演した内容を報告します。タイトルは「ブロックチェーンは世の中をどう変えていくのか」です。
お気に入りに追加ブロックチェーンが世界を変える
ブロックチェーンは、デジタル情報を記録していく改竄できない技術であり、AIとは異なる技術であるが、AIと一緒で大切な技術である。
ブロックチェーンが改竄出来ない理由
ブロックチェーンは分散して情報を管理していくが、何故改竄することが出来ないのかというと、「多数の人が協同でブロックチェーンを管理しているから」と一般的に言われているが、これは間違いである。
これは、POW(プルーフ・オブ・ワーク)という仕組みだが、ブロックチェーンはブロックというまとまりで情報管理をしており、この計算作業が複雑で簡単に解けないので改竄が困難ということである。
出典:ブロックチェーン技術~PoW・PoS・PoI・PoCの違いについて~ | ビットコイン・アルトコイン仮想通貨情報サイト ビットチャンス
ブロックチェーン革命は何をもたらしたか?
ビットコインは、通貨であるから信頼性が必要であるが、ブロックチェーンは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)により、他人同士が取引をしても大丈夫なようにピザンチン将軍問題を解決した。
これまで、通貨のような信頼が必要な事業というのは、信頼することが出来る大きな組織が必要であったが、ビットコインは銀行のような巨大な管理主体がなくても機能することが出来るという点で、ブロックチェーン革命によりもたらされた、大変な技術革新である。
出典:ビザンチン将軍問題とは?~仮想通貨用語~ | ビットコイン・アルトコイン仮想通貨情報サイト ビットチャンス
いくつかの仮想通貨
ブロックチェーンが一番最初に応用されたのは仮想通貨である。
通貨というのは、これまで国家が独占してきたが、仮想通貨は国家の独占を破ることができる。
ただし、仮想通貨というのはビットコインやそれ以外の仮想通貨(アルトコイン)だけではない。
メガバンクが発行する仮想通貨と中央銀行が発行する仮想通貨がある。
ただ、中央銀行が仮想通貨を発行するとなると、皆その仮想通貨を使わざるを得なくなり、これまで以上に管理されてしまう社会となる可能性がある。
ブロックチェーンは世の中をどう変えていくのか〜野口悠紀雄氏の講演 その2〜に続きます。