プルーフ・オブ・バーン「PoB(Proof of Burn)」とは?

「Burn(バーン)」とは「焼却する」という意味です。

PoW(プルーフ・オブ・ワーク)やPoS(プルーフ・オブ・ステーク)、PoI(プルーフ・オブ・インポータンス)等といった分散型合意形成の為の証明方法と名前が似ていますが、PoB(プルーフ・オブ・バーン)はこれらとは違い、新規コインの発行方法の一つです。

プルーフ・オブ・バーンの仕組み

ビットコインはマイニング(採掘)によって新規発行されます。

マイニングに成功したマイナー(採掘者)は、新規発行されるビットコインを報酬として受け取ることができます。

プルーフ・オブ・バーンは、実際に仮想通貨を燃やすということではなく、ネットワーク上でコインを二度と使えなくする代わりに新しいコインを得る方法(誰も秘密鍵を分からないアドレスにコインを送って、二度と使えなくすることを証明すること)であり、仮想通貨を「二度と使えなくする」という意味からBurn(燃やす)といいます。

プルーフ・オブ・バーンは、誰も秘密鍵の分からないアドレスにコインを送ること(Burnすること)により、コインを二度と使えないようにしてそのコインをBurnしたことが証明できると、Burnしたコインと同額の価値を持つ新しいコインを得ることができる仕組みです。

コインをBurnさせる取引の記録と新しいコインの発行は、連動しており、これはブロックチェーン上で誰でも確認することができます。

プルーフ・オブ・バーンとカウンターパーティー(Counterparty/XCP)

ビットコインのブロックチェーンを利用した「カウンターパーティー(Counterparty)」というシステムの中で、「XCP」という仮想通貨が使われています。

プルーフ・オブ・ワークやプルーフ・オブ・ステークが採用されている仮想通貨は、コインが発行された初期の段階の利用者が多くのコインを手に入れられる仕組みです。

この仕組みが不公平であるということから、カウンターパーティーは、「ビットコインを送ってもらう(Burnする)ことでビットコインを使用したことを証明し、それに応じて、XCP(カウンターパーティーの独自コイン)を受け取ることができる仕組み(Burnしたビットコインの量が多いほど受け取れるXCPの量が多くなる)」を作りました。

XCPが初めて発行される時、2,000BTC以上のビットコインがBurnされました。

その結果、約2,650,000XCPが発行され、配布されました。

XCPが発行された時に、それぞれBurnしたビットコインに応じてXCPが分配されて、今後、XCPの供給量が増えることはありません。

そして、発行されたそのXCPをBurnすることにより、新たな仮想通貨を発行することができるという仕組みです。

カウンターパーティの開発グループは、Burnしたビットコインの量に対して自動でXCPが分配されるという仕組みをプロトコルの段階で作成しました。

これにより、カウンターパーティーに参加する人全員に、このプロトコルが適用されます(この方法でXCPを発行・分配することにより、参加者全員が、どのくらいの量のビットコインがBurnされたのかを確認することができます)。

よって、XCPは、このプロトコル及びプルーフ・オブ・バーンにより、透明性や公平性を保つシステムとなっています。

また、ビットコインを送って(Burnして)、XCPが分配されたアドレスは、Burnされた後は二度と使えなくなっているアドレスです。

既に使えなくなっているアドレスにビットコインが送られて、Burnされるので、当然のことながらビットコインを受け取って儲ける等という悪質なことはできない設計になっています。

これは悪質なICO等で、コインの発行元が発行したコインを売ってビットコインやイーサリアム等を受け取って儲ける、というような悪質な手口に対抗するために、このような設計にしたといわれています。

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