仮想通貨業界が「インサイダー取引」の禁止をはじめとした自主規制案をまとめる。
仮想通貨業界がこれまでの無秩序だった取引や取引所の内部管理の透明性向上に動き出しました。
仮想通貨の業界団体とJVCEA(日本仮想通貨交換業協会)が自主規制ルール案をまとめました。
これまで、仮想通貨取引所の内部関係者は、仮想通貨のインサイダー取引(事前に入手した情報を基にした取引)を禁じられてはいなかったが、これを禁じることなどが主要なものとされています。
インサイダー規制(金融商品取引法上の)とは異なるが、仮想通貨取引業界全体として拘束力のある規則作成を目指していきます。
2018年3月、仮想塚業界全体の統一的な活動を行っていくJVCEAが発足しました。
今後、JVCEAは、総会で自主規制案を提示し、自主規制団体の認定を金融庁から受け次第、適用を始める見通しとのことです。
当初は、仮想通貨業界を育成するために、銀行や証券といった金融業に比べて、金融庁は緩い法的規制で臨んできましたが、2018年1月に仮想通貨XEM(NEM/ネム)のハッキング事件が発生したため、業界全体の規制強化を迫られていました。
上述もした、仮想通貨取引所の内部関係者は、これまで内部関係者のみが知り得る情報を利用した不適正な取引を禁じられてはいなかったが、規則ではこれを未然に防止することを明記しました。
過去に、大手仮想通貨取引所が特定の仮想通貨を取り扱う等の情報が事前に漏れて、その通貨の価格が急騰するということがありました。
これまで、「意図的な情報流出によって価格をつり上げていたのでは」といった疑念がありましたが、今後はこのようなことがあれば規制違反となり、こういった疑念の払しょくに取り組んでいきます。
内部関係者の対象には、仮想通貨の発生・移転の記録者及び株主や役職員、その配偶者や同居人まで含まれます。
金融商品取引法上のインサイダー取引の対象外であるが、当面は自主規制で不公正な取引の排除を目指していき、具体的な罰則は今後検討していきます。
この他に、新たに仮想通貨を取り扱う際のルールも盛り込まれました。
匿名性の高い通貨(マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金の便宜に利用される可能性がある通貨や移転記録の追跡が難しい通貨の、公認会計士や監査法人等による適切な監査が困難な通貨)については取り扱い自体を禁止します。
よって、モネロ(XMR)やジーキャッシュ(Zcash)、ダッシュ(DASH)等の匿名性の高い通貨(取引記録が追えない通貨)は取り扱いができなくなる見通しです。